いよいよ風俗を辞める日が近付いてくると、彼に対する嫉妬心は自分に対する絶望感へと変わっていった。
前だけを見てここまで突き進んできた自分が、ゴール直前、後ろを振り返って見たものは…
あまりにも長く風俗にいすぎた自分。
あまりにも多額の金を稼いだ自分。
あまりにも多くの男性と関係を持った自分。
嘔吐し吐血し傷つけられ号泣し半狂乱になり塞ぎ込み、
それでも仕事はいつも笑顔で頑張った。
そんな私が風俗で最終的に得たものは、何もない。
残ったのは酷使された体と病んだ心。
失ったものは計り知れない。
溜まりに溜まったこれまでの記憶が一気に押し寄せた。
風俗を辞められるのは嬉しいはずなのに、悔しい、悲しい、虚しい。
最後の最後にこんな絶望感が待ち受けていたなんて思ってもみなかった。
そして私は食欲がなくなった。
セックスを拒否した。
口数が減った。
寝付けなくなった。
日に日に痩せていった。
彼は「思っていることを話してほしい」「なんでもいいからぶつけてみろ」「せめてメシはちゃんと食え」…他にもいろいろ言っていたが、私は何ひとつ出来なかった。
彼も限界を感じたのかもしれない。
「薬でもやってんじゃねーの?」彼のその一言で私がキレて、家の中はめちゃくちゃになった。
「ユウ。」「あ?」「薬は出てきた?」「んなもんやってねーって最初からわかってるよ。」「だったらケンカなんて売ってんじゃねーよ。」荒れた部屋の中、床に座って缶ビールを次々と空けた。
普段はアルコールをうるさく言う彼も、止めたりはしなかった。
-147へ続く-
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私は家にいるときはコーヒーばっかり飲んでいるので、コリラックマのコーヒーカップが欲しいです。あと、ぬいぐるみも欲しいし、文房具も大好きです☆
おうどん喜んで頂けてよかったですね(^ ^)
自分が良いと思って贈ったものをそこまで喜んで頂けたら、とても嬉しいですよね!
何をおっしゃいますか、総監督は生涯現役ですよ~。
引退した私の分もぜひ頑張って頂きたいです!(笑)