彼はお風呂から上がると自分もペリエを持ってソファに座り、二人でしばらくテレビを観ていた。
腰に手をまわしたり髪を触ったり手を握ったりキスしたり、さっきの食後のイチャイチャとやっていること自体は同じだが、どこかさっきとは違っていた。
体への触れ方やキスの仕方が、もうなんとなく“そういう雰囲気”だと思った。
お風呂上がりのパジャマ姿でくっついていたらそうなるのは当然かもしれないが、私はまだ迷いがあって余計にドキドキしていた。
「ベッドに行こう。」それは“寝よう”じゃなくて、“しよう”だと思った。
寝室に入ると私は一瞬彼のことを忘れて部屋に興味が行った。
ベッドにはシビラのグリーンの毛布。テーブルの上にはノートPCと何かの書類。壁にはよくわからないポスターが貼ってあり、カラーボックスには本や雑誌やファイルだかがゴチャゴチャに並んでいる。
お洒落なリビングも悪くはないが、寝室はいかにも“男の一人暮らし”な感じがして、私はむしろこういう方が好きだ。
彼は私をベッドに寝かせると、照明を少し落として部屋を薄暗くし、自分もベッドに入った。
そしてすぐに体を重ねてキスをした。
そっと抱き合って顔や髪に触れ、見つめあったりキスしたり…。
でも、なんとなくぎこちなかった。
『この状況になってもまだ彼は私に気を遣っている?』
自分が「泊まっていけ」って言ったくせに葛藤しているなんて、なんだかいじらしい。
そんな様子を感じているうちに、私の迷いは無くなっていた。
アザだらけの体を見られるのは嫌だけど、彼が『それでもいい』と思ってくれるならば、私は彼に抱かれたい。
そんな想いを伝えたくて、私は彼の胸のボタンをひとつだけ外した。
そして、彼にすべてを預けた。
彼と知り合って約11ヶ月。
外で会いたいと言われてから約2ヶ月。
初めてのデートで告白されてから3週間。
6回目のデートで、昨日初めて一緒に一晩過ごし、
今日、初めて彼とセックスをした。
-90へ続く-
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それってヤバイくらいカッコイイっす!
男ですね~☆
こっそり応援に行きたいくらいです(笑)
私は7月8日に風俗を辞めました。
私が今幸せというのは、やっとまともなラインに立てただけのことです。
何かがアップしたわけじゃなく、落ちたところから戻っただけの話ですよ(笑)
ホントに、普通に働いて普通に生活できることに感謝ですネ(^ ^)