彼は相変わらずペースを崩すことなく店に通い続けた。
彼の言うことややることに特に変化はなく、今思えばもしかしたら何度も会っているうちにお互いの距離は少しずつ縮まっていたのかもしれないけれど、これまでに私と彼の間に目に見える進展はなかった。
彼が初めて来店したときから約9ヶ月経っていた。
あるとき、彼は帰り際のシャワーの後、腰にバスタオルを巻いたままベッドに座って私が服を着ているのをじっと見ていた。
いつもと様子が違う彼に違和感を覚えた。
「何?恥ずかしいよ。」と私が言うと、彼は立ち上がって自分も服を着た。
そして服を着終えると、ベッドに座って隣のスペースをポンポンと叩き
「こっち来て。」と言った。笑顔はなく、なんとなく嫌な空気だった。
私が彼の隣に座ると、彼は体ごと私の方を向いて真剣な顔で言った。
「はるかちゃん。」「ん?」「はるかちゃんと外で会いたい。」完全に不意打ちを食らった。
「それは無理だよ。」私は動揺を悟られないよう、突き放すようににわざと冷たく言った。
出会いから約9ヶ月間、今まで彼から好意的な言葉は一つも言われたことがないので本当に驚いた。まさか今更そんなことを言われるなんて全然思っていなかった。
「困らせちゃってごめんね。」彼はそう言うと、ちょっとだけ微笑んで私の頭をポンポンと撫でて立ち上がり、部屋を出て行った。
-10へ続く-
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いつもありがとうございます。
ビックリしました!私は高級店で働いたことはなく、かと言って激安店でもなく、ごく普通の料金のお店でしか働いたことがありません。そんなに高いホテヘルやデリヘルがあるなんて知らなかったです。
ホテヘルでも、お客様と一緒にホテルに入ったことはありません。
地域やお店によっていろいろなんですね。
電○のお店は以前、2ヶ月ぐらいかな?勤めた経験があります。
女のコにもよりますが、たまにはそういうのも楽しいと思います。
また何かありましたらよろしくお願いします♪
マイペースで頑張ります!