翌日の私は意外にもスッキリしていた。
『この先もう彼に会うことはないだろう。昨日のことはひとつの経験として胸にしまってこれからも頑張ろう!』自分の切り替えの早さに清々しささえ感じていた。
が、出勤した私に衝撃の事態が待ち受けていた。
いつものようにスタッフからスケジュールを聞いた私は一瞬耳を疑った。
その日のラストに彼の予約がトリプルで入っていたのだ。「それ本当ですか?私ですか?」他の女のコを指名したのならその方がまだ納得できる。
「はるかちゃんだよ。昨日お帰りのときに御予約して下さったんだよ。」なんと。あんな捨てゼリフ吐いた直後に今日の予約して帰ったのか?
嘘だろぉー、ストーカーかよっ!
“もう来ないと思ってたからビックリ!”なんてもんじゃない。
しかも昨日の今日。おまけにトリプル。一体どういうつもり?
ケンカの続きをするならするで、他のお客様や女のコに迷惑をかけないようにしなければならないと思い、私は受付から遠い一番奥の部屋に入った。(ちなみに昨日もこの部屋だった)
彼の意味不明の予約のせいで心中穏やかでなかったが、接客中は目の前のお客様に集中して仕事に臨んだ。
ただ、仕事をこなせばこなすほど、カウントダウンをされているようで憂うつな気分になっていった。
彼がやって来る時間がどんどん近づいてくる。
-21へ続く-
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こちらこそ、いつも楽しみに読んで下さってどうもありがとうございます。
彼女さんとのこと、なにか良い方に向かう糸口がみつかるといいですネ。
私の恋愛は山あり谷あり。恋愛って人それぞれですね。
最近は毎日記憶を辿ってどんどん書き進めていますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。