「ごはん食べに行こっか。…あ、帰らないとマズイか…。」「ううん、大丈夫。ごはん行きたい。」車で5分ぐらいの場所にあるファミレスに入った。
オーダーを済ませると私はトイレに行き、彼氏に『今日は遅くなる』という主旨のメールを送った。
このファミレスで彼は、私がさっき初めて彼の名前を呼んだことを「嬉しかった」ととても喜んでいた。
それと、二人にとってちょっとした進展もあった。
今更だが、お互いの生年月日と家族構成を話した。
彼は私より3つ年上、一人暮らし。結婚歴なし、彼女もいないと聞いて私は安心した。
「はるかちゃん、連絡先教えて。」「あぁ、そうよね。」「あれから結構キツかったよ。もう会えない気がしてね。」「ごめんね。」彼がそんなふうに思っていたとは想像もしていなかった。
辛いのは私だけじゃなかった。
私は自分の携帯の電話番号とメアドとPCのメアドも教えた。
「はるかちゃんの携帯って色気ねーな。オヤジみたい。」私の携帯電話には彼からもらった深緑色の大仏ストラップがぶら下がっているだけだ。
「すべてはコイツのせいよ。」私が大仏ストラップを指して彼を睨むと、彼はすごくいい顔をして笑っていた。
「ねえ、今度の休みっていつ?」仕事はお互いに不規則だが、私が働いている店は完全自由出勤制なので予定はどうにでもなる。
「決まってないけど。何?デートなら優先させるよ(笑)」「デートのお誘いだよ(笑)」「いつ?」「再来週の日曜日、試合見に来れる?寂しい想いはさせないから。」あ…ずっと前に私が「一人で観戦は寂しい」って言ったこと覚えてたんだ。
「行くよ!ありがとう。」「それまでにもまた会おうね。」「うん。」-53へ続く-
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