彼からメールが来た。
『はるかちゃん、もうちょっと待っててね』腹は立つが、それ以上に悲しくてたまらなかった。
今にも泣きそうになってきたので気を紛らすために煙草を吸った。
携帯のバイブがずっとブルブルと振動している。今度は着信だ。
私はもちろん出ない。
すぐにメールが来た。
『はるかちゃん大丈夫?今どこ?迎えに行くよ』また彼から着信。もちろん出ない。
またメール。
『はるかちゃん、ごめん。お願いだから電話に出て。』はるかちゃんはるかちゃんって、もういい加減にして!私は携帯の電源を切って店を出ると、そのまま電車に乗ってまっすぐ家に帰った。
家に帰った後は引っ越しのための荷造りを始めた。
なにか体を動かしてないと頭がどうにかなってしまいそうだった。
細かいものを集めてまとめ、クローゼットの奥に隠したり、どうでもいいようなものはこの際捨てようとゴミ袋にまとめた。
早く引っ越して何もかもリセットしたい気分だった。
夜は近所にある行きつけのバーに一人で飲みに行った。
お酒はあまり得意ではないが、マスターはそのこともよくわかってくれているので、外で一人で飲みたい気分のときははいつもこの店に来る。
マスターと、彼にも彼氏にも関係ないどうでもいい話をしていると、ちょっと気分が晴れて楽になった。
-60へ続く-
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本職の方に文章の書き方を褒めて頂き光栄です。
私としては、なんの構想もなくただ記憶にあることを綴っているだけの状態で、読んで下さる方への配慮に欠ける記事と感じていました。
ですから、KAZU様のコメントはとても嬉しいですし安堵しました。
あと何回くらい続くのかは自分でもまだ先が読めないですが、長さは関係なく、とにかく頑張ります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。