「高橋さん、○○さん(彼)ってカッコイイですよね。」「うーん…。」いや、だってなんて言えばいいの?
『そうですね』って言うのも自慢みたいだし『そんなことないですよ』って謙遜するのも変だし『ありがとう』って言うのもなんか違う?
「ファンも多いですよね。」「え?ファンなんているんですか?」「えー!?そりゃーいますよ。私の彼でさえいるんですからー!」へえ…そうなんだ。
あ、だから「人目が気になって嫌だ」って言ってたのかな。
なんか変な感じ。こういう世界があるなんて全然知らなかった。
「あ、彼女さんですよ。」「???」「綺麗な人ですよねぇ。」中村さんの視線の先に、一人目立って綺麗な女性がいた。
「彼女さんって…あの人?」「そうそう。」“彼女”がいた。
「えっ?○○さん(彼)の彼女…なんですか?」「そうですよ。それなのにさっき高橋さんのこと“俺の彼女”とか言うからびっくりしたでしょう?変な冗談言って(笑)」ちょっと待ってよ。あの人が“ユウくんの彼女”なの?
じゃあ私は何? 私は浮気相手? 嘘でしょ?
さっき彼が中村さんに私のことを
「俺の彼女だから、いじめるなよ」って言ったとき、中村さんは
「もう、そんなこと言って」って笑ってた。
あれは彼が『いじめるなよ』って言ったから笑ったんじゃなくて、彼女がいるくせに私のことを『俺の彼女』って言ったから笑ってたんだ!
-58へ続く-
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