「ユウくんの思考回路ってどうなってんのよ。」「だからね、ワンちゃんを飼っていたときのことを思い出してみてよ。」それから彼は、ペットのワンちゃんに対する愛情を延々と説明した。
きっかけはその可愛さに一目惚れし、飼いたい衝動に駆られる。
冷静になってよく考え、飼うことを決断する。
何があっても一生自分が守り抜く、その覚悟と責任を持つ。
一緒に過ごすうちにどんどん愛情が深まる。
スキンシップで更に仲良くなり癒される。
自分の手で幸せにしてあげたいと思う。
嫌なことをされても可愛くてたまらない。
叱ることはあっても暴力は振るわない。
ストレスを受け止めたらその原因を考えて取り除いてあげる。
美味しいごはんを食べさせてあげたい。
色々な所に連れて行ってあげたい。
できるだけ多くの時間を一緒に過ごしたい。
いつも健康でいてほしいし元気がないと心配になる。
ひとりぼっちにしておくと、寂しがってはいないかと気にかかる。
幸せそうな姿を見ているだけで自分も幸せな気持ちになる。
どんな理由があろうと手放したりしない。
他で可愛い犬を見ても自分の愛情は揺るがない。
見返りは求めない。ただ、そばにいてくれるだけでいい。
彼の話は(※これがすべてではないかもしれないが…)そういう内容だった。
「わかる?今言ったこと全部はるかちゃんに当てはまるんだよ。」「でも私は人間。」「わかってるよ。主従関係じゃなくて、俺の気持ちの話。」「それでも私には男女間の無償の愛なんて理解できないよ。」驚いた。ペットに例えられたことも彼の気持ちも理解不能。
私は『そんなに想われちゃって嬉しいわ!』なんて思えない。
それどころか初めて『なんかこの人ヤバイかも…』って思った。
彼みたいなタイプが突然ストーカーに化けるんじゃないの?
「あのさ…ユウくんは今までそんな重い恋愛をして来たの?」「だとしたら今まで誰とも別れてないよ。」「うん…まぁそうだけど。」「こんなふうに思ったのははるかちゃんだけ。」「私にはそんな価値ないよ。なんで私は特別なの?」「それは俺にもわからない。」-99へ続く-
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おかげさまで適当にやっています(^ ^;)
オリンピックは私も見ません☆