私は彼の愛情をどう捉えればいいのかわからず困惑した。
やりたい放題やったくせに、結果、自分が動揺している。
ストーカー的な愛情は怖いから無理矢理違う方へ考えた。
うん。彼は人一倍寛大で純粋で正義感が強いというだけかもしれない。
彼は捨てられた子犬を拾うような感覚で、たまたま出会った風俗嬢に同情して『このコの面倒を見てあげよう』と決めてしまったのかもしれない。
『俺がそう決めたんだからそうする!』だとしたら、まぁ、ある意味それは彼らしいかもしれないが、それもまた非常に怖い。
「なんかペットの話がどうもしっくり来ないっていうか…。」「ごめん。わかりやすいと思ってあえて例えたんだけど。」「うん、わかりやすかったけど。」「“ペットみたいなもん”ていう言い方は悪かった。俺らは対等だから。」「わかってるけどね、なんでそこまで思えるかなって…納得できない。」彼は私を抱き上げて、自分の膝の上から降ろして隣に座らせた。
「俺は結婚もプロポーズもしたことないけど、たぶんそういう心境だよ。」「いやいや、もう言ってること全然わかんないよ。」「だから究極、はるかちゃんがいるだけでいいってこと。」「だからー、なんでそう思えるのかわかんないの!」好きというのはもうわかっている。
問題はその“好き”の深さ重さ大きさ。
なんで私なんかをそこまで想うのか、それが不可解で不安で不気味だ。
「はるかちゃんのことは、弱さや汚さも含めて全部大好きだからだよ。」「弱さも汚さも好きだから風俗嬢でいいの?同情してるってこと?」「それマジで言ってんの?頭悪いな。」「好き嫌い以前に“面倒見てあげよう”って決めたんじゃなくて?」「なんで俺が風俗嬢に同情して面倒見なきゃなんないの?どんな趣味だよ。」「だってユウくんは優しいから。」「そんな慈善活動するほど優しくねーし暇でもねーよ。」疲れる。
なんだか私の方が消耗してきた。
-100へ続く-
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あたたかいお言葉、どうもありがとうございます。
風俗は他の仕事と違って皆嫌々やっているので、接客業にもかかわらず基本的な挨拶や気遣いさえも出来ない女のコが意外と多いんですよね。
だから当たり前のことを出来る女のコは、それだけでリピーターが増えていきます。
風俗店にいらっしゃるお客様は性格も遊び方も様々ですが、40代たまご様の考え方は女のコにとって嬉しいことです(^ ^)