翌日。水曜日の朝。
彼が帰った後、私はすぐにテレフォンレディの仕事をする気にはなれなかった。
昨日の彼は私のせいで壊れておかしくなったのか、それとも元々おかしい人なのか…。まぁ、どっちにしても納得だ。
あれだけいじめれば壊れてもおかしくないし、そもそも風俗嬢と付き合おうなんて元々どこか普通の人とは違うのかもしれない。
そんなことをぼんやり考えた。
それから私はテレフォンレディの仕事をする前に、次の本業となる仕事のことを考えた。ヘルスより楽でテレフォンレディより稼げる仕事…。
ヘルスやら性感やらは既に論外。
もう自分だけの問題じゃないと思った。
一番怖いのは、彼に性病を移してしまうこと。
私が風俗嬢という事実だけでも精神的な負担を掛けているのに、そのうえ彼の体まで傷つけるようなことはしたくない。
ヘルスや性感やイメクラなど体の接触がある仕事は、自分がどう頑張っても性病をもらうことは避けられない。
世の中にはごく普通の真面目な主婦でも自分の旦那さんから性病を移されて苦しんでいる人もいっぱいいるわけで、それを考えれば風俗嬢が客から性病を移される確率なんて想像するのも恐ろしい。
風俗嬢は客からもらった性病をまた違う客に移す性病の問屋のようなものだ。
『仕事を辞めさせてやれないのが悔しい』
そう言ってくれた彼のためにも、男性と体が触れ合わない仕事。今の私にはそれも条件のひとつだ。
そして突然ひらめいた。
『そうだ!AVだっ!』
顔出し無しで絡みもない、素人ものトイレもの盗撮もの。
そういうAVに出演する女優を募集している会社をいくつかピックアップし、早速電話をして面接の予約をした。
それからテレフォンレディの仕事をし、その日の夕方にAVの面接に出掛けた。
-103へ続く-
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どんな知識でも、あって邪魔になることはなく、それを利用したり切り捨てたりは状況次第、結局自分次第かな…と思います。そうは言ってもね、なんか本当にスミマセン(> <;)
私も丈夫な体に感謝ですが、ケガは多いので三十路男様と似ているタイプかもです。
階段から転げ落ちたり、川で流されたり、車にひかれたり、まぁ自分でもよく生きてるとは思います。
お体のことは私が心配してどうにかなるものでもないですが、やはり想像すると胸が詰まる想いです。どうかお大事になさって下さいね。