「ここにいてね。」彼はそう言うと音楽を止めて車を降り、砂浜の上にブルーシートを広げてクーラーボックスで押さえた。そしてブルーシートの上に厚手の毛布を広げた。
「はるかちゃん来て。ここに座って。」私は車を降りてサンダルを脱ぎ、毛布の上に体育座りして海を眺めた。
「寝っ転がっても平気だよ。」なんでも彼は初めてここに来たときに、最初は普通に座っていたがどうしても横になりたい衝動に駆られ、いざ横になってみると全身髪まで砂まみれになり後々大変だったそうだ。(そんなの当然だ)
それ以来、海にはいろいろなものを持って来るようになったのだという。
彼は私の後ろに座り、私のことを包むように背中から抱きしめた。
そして二人でぼーっと海を眺めていた。
「横になると気持ちいいよ。」彼は後ろに倒れて大の字になった。私もそのまま彼の上に大の字に重なって倒れた。
星がとても綺麗で見ているだけで心が洗われるようだった。両手を広げてみると地球に寝っ転がって宇宙を支配したような壮大な気分になる。
目を閉じると大きな波の音、背中には彼の体温を感じる。
「なんかさ、宇宙が広すぎて自分の存在がちっぽけに感じる。」「うん、それすごいよくわかる。」自分が抱えている大きな問題も、実はどうってことないのかもしれない。
ここにいるとそんなふうに思える。
「ユウくん。私あの店辞めて違う店に変わったの。」「えっ、そうなの?いつから?」「一週間くらい前。」「そこって前と同じような感じ?」「ううん、全然違くて。風俗だけど体には触れ合わないの。」と言ってもうまく伝わらないかな…。
でもさすがに“オナニー見せ合う”だなんて言えない。
-110へ続く-
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やること早いですね~スバラシイ!(笑)
まあ、一回誘ってホイホイ付いてくるコだったらそれはそれで問題児でしょうし、長期戦覚悟でよろしいのではないかと思います。
頑張ってくださいね☆