浴室を出た私は彼の顔を見るのが嫌だったので、リビングには行かずにそのまま寝室に入った。
デスクに向かって一息つき、パソコンの電源を入れると彼がドアをノックした。
「何?」「はるかちゃん、ごめんね。」「何が?」「開けていい?」「何の用?」「話がしたいんだけど。」私はドアを開けた。
「話って何よ。」「向こう(リビング)で話せる?」リビングに入った私の目にすごいものが飛び込んできた。
テーブルの上に多額の現金。それと預金通帳何冊かと書類のようなものが置いてあった。
「なるほどね、車は売ったのね。」「うん。ごめんね。」「ユウくんの車なんだから謝ることないでしょ。」「いや、ずっと隠してたから。」「あ、やっぱそうだったの…。」車を売ったのは私には関係ないしどうでもいいことだが、「隠してた」とはっきり言われたことはショックだった。
なんでそんなどうでもいいことをあえて隠したりするんだろう。
それに、そんな大金を銀行に預けず家の金庫に保管していたことも驚いた。
『この人大丈夫?ちょっとおかしい?』って思った。
彼の考えていることはさっぱりわからない。
-131へ続く-
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でも車がないと生活出来ない環境の場合は、御年配の方の運転も仕方ないですね。
私はそもそも車の運転できないので、交通網の多い街じゃないと住めないです(> <;)