2度目の来店は2~3週間後ぐらいだったと思う。
彼の第一声、爽やかな笑顔で
「3時間待っちゃったよ」って。
『コイツはバカか?予約してから来いよ』って思ったけど言わなかった。
『3時間待っても入れたんだから、あんたラッキーじゃん』とも思ったけど言わなかった。
『ってゆーか、待ったの報告いらねーし。恩着せがましい奴だな』
もちろんこれも言っていない。
まぁどうでもいいやと思って、ごめんなさいもありがとうも言わなかった。
彼は3時間待ったことも私が何も言わないことも全然気にしていない様子で笑顔のままベッドに腰を下ろし「こっち来て」と言って私の手を引っ張った。
私が彼の隣に座ると彼は私の肩を抱き、頬や首筋にキスをしながら服を脱がせていった。
シャワーを浴びながら、彼は自分がやっている某スポーツのことを楽しそうに話していた。
私は「うん、うん。」って初めのうちは適当に聞いていたんだけれど、彼の話を聞いているうちに、
彼と私の間に共通の友人がいることに気付いた。一瞬、ヤバイ!と思って血の気が引いた。
周りに内緒で風俗嬢をやっている私としては、自分が風俗嬢であることが周囲にバレるのが一番怖いことなので、自分とお客様の間に共通の友人がいるなんて最悪!
実は、自分とお客様の間に共通の知人や友人がいるというケースは過去に何度も経験しているが、そのことをお客様に気付かれたことは一度もない。
ただ、今回に限っては唐突にその友人の話が出たので本当に焦った。
『コイツには気をつけよう。共通の友人がいるなんてバレたら大変だ』そう思って、ちょっと無理矢理だったかもだけど、とにかく話題を変えた。
彼は怪訝な顔もせず何も気付いていない様子で話に乗ってきたので、私はとりあえず安心した。
プレイはまたノーマルなもので彼がリードして私は受け身だった。
彼は私の体を優しく扱ってくれるので痛みを感じるようなことはない。それは風俗嬢にとってはとてもありがたいことだ。
それでも私は仕事として割り切っているから、彼と過ごす時間が楽しいとか気持ちいいとか嬉しいとかは全然ない。
他のお客様のときと同じように、ただただ気持ち悪いだけで精神的には苦痛でしかなかった。
-4へ続く-
- 関連記事
-
私の場合はかなり精神力が強い方だと思いますが、確かに病みます。
最初の頃はよく泣いてましたよ。
トンデモナイコトをするのに相手を選べない過酷な接客業ですからね。
だから、薬物に手を出したりホストやギャンブルにハマったり、そういう子が多いのかもしれません。