その後も彼は2~3週間に1度ぐらいの大体同じようなペースで店に通い続けた。
長期間空いたりせず、かといって週に何度も来るということもなく、彼の来店ペースには気まぐれさや私への駆け引きみたいなものは感じない。
ただ、昼間に来たり夜に来たり平日だったり土日だったり、それに関してはバラバラで予測できなかった。
ちなみに、店にはいつも車で来る。
普段から電車にはあまり乗らないのだそうだ。
いつも本指名だが、ダブルやトリプルや貸し切りや延長などは一切せず、差し入れもプレゼントもチップも何もくれない。
(オプションに関しては、この店には元々オプションがなかった)
服装はデニム中心でいつもカジュアルだが、そのときによってネックレスやサングラスや腕時計などを替えてくる。なんとなくオシャレでいい暮らしをしていそうな雰囲気はある。
明るくて比較的よく笑う。
元々話し好きなのか私に気を遣っているのか、とにかくよく話す。
声が少し低くて穏やかに話すので、うるさいとか落ち着きがないとかいうような悪い印象はない。
いつも決まって話すのは某スポーツのこと。
私はいつも適当に聞いていたが、段々その特定のスポーツの知識が増していった自分に気付いた。
『もしやこれはコイツのマインドコントロール的策略なのか?』と、少々警戒したりもした。
-6へ続く-
- 関連記事
-