「ごめんね。もう大丈夫?」「うん。あっごめん、こっちに座って。」そういえば、彼は私をベッドに座らせて自分はずっと床に座っていた。
コレって、この人なりの反省のポーズ?
……反省?
彼の言うことがもし本当ならば、彼は悪いことなんか一つもしていない。
もしかして、反省するのは勘違いしていた私の方?
「疑ってごめんね。」「はるかちゃんが謝ることないよ。」私は謝ったものの、最後に「彼女の存在が公になっているなら、別れたときも公にしろ」とだけ言っておいた。
それから私達は昨日の試合の話をした。
どうやら彼のチームは勝って、皆ご機嫌だったらしい。
私は彼と居られるのは嬉しいけれど、話をしているうちに、今この部屋でこうして一緒にいることに違和感を覚えた。
「ねぇ、もうここには来ないで。」「なんで?」「私は好きな人からお金を取りたくなんかないよ。」「俺は客じゃないってこと?それでいいの?」「うん。前とは違うと思うから、けじめをつけたい。」「わかった。俺もそう思うからもうここへは来ないよ。」もうこんな場所で彼にお金を使わせるのは絶対に嫌だ。
彼と会うために彼からお金をもらうのも絶対に嫌だ。
今更言うことでもないと思ったが、彼も同じ考えだとわかって安心した。
「ありがとう。」「べつにありがとうじゃないよ。」大好きだから、大切な人だから、ここへはもう二度と来させない。
-63へ続く-
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『生ものは一番困ります』
それは風俗嬢の場合も同じです。
そこに真心が込められていると余計に厳しいです。
風俗店だと食べる人もいないですし、かと言って食べ物を捨てるのは心が痛みます。