毛布にくるまって抱き合い、彼は私の背中を指でなぞっている。
私は、優しくて激しくて濃厚な時間を過ごしたその余韻に浸っていた。
「ねぇ、そろそろ服着た方がいいよね。」本当はいつまでもこうしていたかった。
「あー、そうだなぁ。」
服を着終えると、クーラーボックスから氷が入った袋を出し、溶けた氷水で手を洗った。ついでに紙コップに氷を入れてジュースを注ぎ、それを持って車に乗り込み朝日を待った。
しばらくすると、海のずっと向こう、地平線からわずかな光らしきものを感じた。海に近い空が徐々に確かに明るくなってきた。
地平線から眩しい光がゆっくりと上がり、それがどんどん大きくなっていく。
「すごーい!」私が車から飛び出すと、彼も車から降りた。
太陽がゆっくりと昇り、水面はキラキラと輝き始めている。
「きれいだね。」「うん。」見ているときはゆっくりだったはずが、日が昇りきってしまうとそれはあっという間の出来事に感じた。
そして辺りを見回すと、この広い砂浜に本当に彼と二人っきりで居たということがわかった。
眩しいほどの朝の日差しの中、風はなく空気は少し冷たく清々しい気分。
今、彼とここにいるということが嬉しくてたまらなかった。
-114へ続く-
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その○○という所はわからなかったのでネットで見てみましたが、海産物がいろいろ美味しそうですしロケーションも素晴らしいですね!うん、花火もいいですね♪
そういう所でゆっくりできたら良い気分転換になると思います(^ ^)
自家発電ブーム到来、それもいいと思います(笑)