お母様は急に笑顔が消えて厳しい目つきになった。
「はるかさん、ご存知でしょうけどね。」「はい。…?」「あの子は中学から○○で、○○高校、○○大学を出てるの。」「……はい。」
いろいろな意味でショックだった。
彼がいなくなった途端にそんなことを言い出すなんておかしいと思ったし、私は彼の学歴なんて大卒ってことしか知らなかったのでその内容にも驚いた。
○○中、○○高、…御三家だ。やっぱりこの家は普通じゃない。
「はるかさんはどちらの大学をお出になったの?」「ねぇ、それって関係ないんじゃない?」すかさずお姉さんが口を挟んだ。
「大学へは行ってないんです。高校だけで…。」「あらま、あの子が高校しか出てないお嬢さん連れてくるなんて初めてね!」「ママ!それはないでしょう?」お姉さんは怒った口調だった。
「どちらの学校?この子(お姉さん)と同じ○○(女子御三家)?」「違います…」「お父様のお仕事は?お医者様?それとも会社をなさっているの?」「もういい加減にしてよ!ユウーっ!」お姉さんは立ち上がって怒鳴るように彼を呼んだ。
「ごめんなさい。父は……。」私は泣かないように堪えていたが、顔が紅潮しているのを感じた。
「バカみたい。はるかちゃん、もう帰ろう。」お姉さんはそう言い、私は下を向いたまま立ち上がった。
お姉さんに背中を押されながらドアに向かって歩いているとき、彼がリビングのドアを開けた。
-119へ続く-
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