「なになに?どしたの?」「ユウもう帰って。ママが暴走して手に負えない。」「何があったの?」「いいから外に出て。」
私はリビングから出るときに振り返ってみたが、お母様は無言のままこちらに背中を向けていた。
私はお母様に「申し訳ありません」とだけ言ってリビングを出た。
そして、お姉さんと彼と私、三人で玄関の外に出た。
「はるかちゃん、ごめんなさい。」「いいえ。」「たぶんね、はるかちゃんが可愛くていい子だから嫉妬したのよ。」彼は険しい表情をして黙って私のことを見ていた。
「あんたエンジン掛けて。」彼は車に行ってエンジンを掛けた。
「悪い、はるかちゃん先に乗ってて。」私が車に乗ると、彼は車の外でしばらくお姉さんと話し込んでいた。
お姉さんは、彼が席を外したほんのわずかな時間に起こった出来事をこと細かに説明しているに違いない。
お姉さんと彼は揉めているようにも見えたし、お姉さんが彼をなだめているようにも見えた。
そんなやり取りを眺めていると余計惨めな気持ちになっていった。
お姉さんは私に小さく手を振り、また家の中に入っていった。
彼は車に戻るとつぶやくように「ごめんな」と一言だけ言って、すぐに車を走らせた。
-120へ続く-
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嘘泣きも嫌だし偽善者も嫌い。これ見よがしに善いことしてそんな自分に酔っちゃうナルシストも嫌い(笑)
そうですね。風俗辞めてまともな仕事ができるだけで毎日幸せでたまらない♪なんて、未だにそんなふうに思っています。
例のチャレンジがもうそんなところまで進んでいたなんて凄いです☆
立派ですね。大人になっても自らを高め成長しようとすることは大事だなって改めて思いました。私も見習います。
明日、頑張って下さいネ(^_^)/
そして、ぜひぜひその技術を生かして更なる新境地を開いていって下さい。応援しています。