「それだけじゃなくてね、誰かに頼って借金返して風俗辞めたら、またいつか風俗に落ちる日が来ると思うのよ。それも2度目は簡単に落ちるよ。私は今までそういうコいっぱい見てきたの。」「いや、そんなことは絶対させない。はるかちゃんは大丈夫だから。」
だめだ。完全に平行線。押し問答。
ここまで互いに引けない問題にぶつかったのは初めてだ。
二人とも声を荒げたりせず、冷静に落ち着いて話していた。
ケンカじゃないから余計にたちが悪い。
「金に物を言わせようなんて思ってないよ。」「もちろん、わかってる。」「でも現にあるんだよここに。救う金があるのに救えないなんてこんな悔しいことはないよ。」「ユウくん、この件はこれ以上話してもどうにもならないよ。」「結局俺は何の役にも立たないの?情けない男だね。」「そうじゃないよ。」私は途方に暮れた。
この空気を修正する方法がわからない。
今すぐベッドに潜り込んだとして、目が覚めたらいつもの朝でいつもの二人…なんてことはありえないだろう。
「風呂入ってくる。」彼はそうつぶやいてリビングから出て行った。
私は札束やら通帳やらをボーッと眺めていた。
でも同棲生活ってすごいよなー。
こんなもの出しっぱなしで私をここに残して本人はお風呂入っちゃうんだから。
その間に私がこれ全部持ち逃げしたらどうするんだろう。
そういえばあの四駆…ユウくんはいつ頃どんな思いで買ったんだろう。
売ってこんな大金になるなら買ったときは相当高かったんだろうな。
マンション買うのだって大変だし勇気いるよなぁ…。
目の前に置かれているものは、彼が一生懸命働いて得たもの、彼の努力の結晶。そう思うと涙が込み上げてきた。
車もマンションも売るために買ったわけじゃないのにね。
ごめんね。
-134へ続く-
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勉強したなんて偉いです(^ ^)
私は鋭くもないのですがそのジャンルが大好きなので、やっぱり全然知らないのに装ったりしてる人と話すとわかります(笑)
相手に合わせてあげる気遣いは必要だけど、それはほんの少しで、あとは素の自分を出していかないと後々疲れちゃいますからね♪
私に対して何も気にすることないですよ。三十路男様はもうちょっと図々しくなってもいいくらいです☆
私の方こそとても感謝していますし、以前からいろいろなものをいっぱい貰っていますよ!
ひとつひとつ列挙して褒め殺ししましょうか?(笑)
休日に思いっきりはじけるためにも、今週もお互い頑張りましょうね(^_^)