風俗嬢としての最後のプライド。
「ごめんなさい、体調が優れないので、本日の料金はお返ししますのでお引き取り下さいますか?もしくは他の女のコにチェンジいたしましょうか?」彼は立ち上がって私の腕を掴んだ。
「俺を本気で怒らせたいの?」「違うよ。」私はもう泣きそうだった。
「なあ。あんな言い方されてもまだわからない?」「わかってる。」「だから俺は“俺の知っているはるかちゃんに会いにきた”って言ったの。どういう意味かわかる?」涙がぽろぽろこぼれた。
「とっくにわかってるよ。ごめん。」「服着られる?着せようか?」彼はそう言って私のワンピースを拾った。
私は黙って首を横に振り、ワンピースを受け取って着た。
心が丸裸にされたようで惨めな気分だった。
「ちょっと落ち着こう。」彼はベッドの上にあぐらをかいて座り、私は昨日みたいに向かい合って座った。
「話があるんだけど、その前になにか言いたいことある?」「変態ドS野郎!」「ああ、そうだよ(笑)」彼は勝ち誇ったような顔で笑っていた。
いつもの私なら生意気な男を見ると潰したくなるが、彼には勝てる気がしなかった。
「前に誘ってくれたときに冷たい言い方をしてごめんなさい。」「そんなのべつにいいよ。」「昨日は生意気な態度をとってごめんなさい。」「いいよ、他に何か言いたいことある?ごめん以外で。」「もう大丈夫、全部わかったから。」「何がだよ。」「いろいろ考えないで素直になるって決めた。」「おう、素直になれ。」意地悪でしつこくてなんでもお見通しのムカつく男。
こんな男のどこがいいのか全然わからないけれど、私はたぶん、彼のことが好きなんだと思った。
そう思っちゃったものはもうしょうがない。
-25へ続く-
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お客様が無料券や割引券などを利用した場合でも、それは店が泣くだけで女のコの取り分には一切影響しないので気にすることは全然ないと思いますよ。
(女のコに泣いてもらう店なんてあるのでしょうか?考えにくいですが。)
“無料券や割引券などを利用したお客様”というのも、店は女のコには知らせない場合が殆どです。
確かに私は風俗においては経験豊富な方だと思いますが、知らないジャンルはいろいろあります。
店では女のコ同士で情報交換をするときもありますが、それはあくまでも女のコの目線なので、男性目線のお話は新鮮ですし、また勉強にもなります。
こういったことで『勉強』という表現もどうかと思いますが(笑)
教えて下さるサイトやブログはすべて見ていますし、その後もいろいろと訪問しています。
特に彼のブログに関しては頻繁にチェックしています。
いつも本当にありがとうございます。