「あのねー、軽い女だったら誘ってないしこんな苦労もしてないよ。」彼は笑っていたが、私は全然笑えなかった。
「わかった。俺ははるかちゃんの性格をわかってるつもり。」「そうかなあ。」「生意気で気が強くて泣き虫で意地っ張りでプライドが高い。」「酷いね。まぁでも確かにその通りかもね。」「でも、はるかちゃんのことをもっと知りたい。」「うん。」「他の場所じゃなきゃ出来ない話もあるし、一緒にいろんな所に行きたいって思う。それって軽い?」「ううん。」「俺は軽い気持ちで誘ってないし応えてくれるはるかちゃんを軽いなんて思わないよ。」「ああ、そっか。ごめん。」誘いを受け入れる自分を軽い女と見るのは、真剣に誘ってくれた彼を軽い男と見ることになるんだな、と思った。なるほど、それは失礼。
「ただ、俺にはお店の規則は変えられないから。それが問題。」彼は一点を見つめて考え込んでいるようだった。
私は大きなため息をついた。
「“頼むから不真面目になってくれ”としか言えない。」『彼と外で会いたい』という気持ちは確かだった。
でも、どうしても自分の殻を破ることができずに葛藤し続けていた。
どうしよう… どうしよう…
長い沈黙。
本来機能するはずの風俗嬢の体内時計はオフになっていた。
どれぐらい時間が経ったのかわからない。
彼の腕時計をチラッと見た。
「時間気になる?」「ごめん。勿体ないよね。」「大丈夫。ゆっくり過ごすための時間なんだから気にしないで。」『そうだ!今日この人はいつにもまして高いお金を払ってるんだ!私ったら何やってるんだろう』
いつまでも曖昧な自分に嫌気がさしてきた。
彼を待たせている申し訳なさもあった。
-27へ続く-
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私はそんなに利口ではありませんよ(笑)
言いたいことがまとまらなかったり、不用意な発言で相手を傷つけてしまうことなど、割と頻繁にある方だと思います。
指名は、ホテルの従業員からの指名ですね。
こちらの主流は、お客様が先にホテルに入られて女のコは後から入るので、そのときに(私が一人で入ったときに)、店の名前と源氏名を聞かれます。
でも何度も顔を合わせたことがある人の場合は恥ずかしいですよ。『知り合いがお客様』みたいな感覚ですし、接客後もまたしょっちゅう顔を合わせるのでなんとなくバツが悪いです。
○○○○は何度も使ったことありますが、凄いですよね、あの雰囲気。
それこそオラオラ系の暴言吐いてスパンキングしながら、鏡に映った自分の姿を見ると『私って変態だわ』って思いますよ(笑)
私にとっては体は楽ですが、精神的に厳しい部類のプレイです。
ただ、そういうことをご希望なさるお客様を変態とは思いません。
たしかに目がパチクリです。
毎日『事件』を楽しみにしていますよ(^ ^)
いろいろなことを教えて下さっていつも本当にありがとうございます。